「くるくると回るクラゲ水槽」今話題の激安水槽!その性能はいかに

 カミハタより発売されているクラゲ水槽、「くるくるクラゲ水槽」について、商品の特徴や構造などの解説をしつつ詳しくレビューしていきます!現在様々なメーカーから「クラゲ専用水槽」が出ていますが、恐らくその中でも一番の激安商品!私個人、そのあまりの安さに不安を感じ今まで手にすることがありませんでしたが...(笑)。今回、勇気を出して購入してみました。実際にJelly fish farm ARCADIAで生産した「ミズクラゲ」を投入し、本当に安定した飼育が出来るのかどうか試してみたいと思います。  またこの「カミハタ」からは他にもクラゲ飼育関連商品がいくつか出ているそうなので、そのラインナップについても記事後半にご紹介していきます。そしてそれと同時に、「セット内容以外」で別途購入する必要があるもの・購入したほうが良いものについても詳しく記していきますので最後までお見逃しなく。

くるくるクラゲ水槽①
話題の超激安クラゲ水槽。その性能は?


<目次>

●水槽の特徴・構造
●動画でより詳しくご紹介
●個人的商品レビュー
 ●カミハタのクラゲ商品ラインナップ
●別途購入品(必需品)
 ●別途購入品(おすすめ品)





本水槽の特徴・構造

セット内容について

本商品の最大の特徴はやはりその安さ!通常クラゲ水槽はその特殊な構造のため高額になってしまうものが多いのですが、なんとこちらは3.000円以内で購入できてしまいます!うーん...喜ぶべきか怪しむべきか。まぁ有名メーカーなのでそこまでひどいものは出さないと思うのですが、それにしても安すぎますね。  それでは気になるセット内容を見ていきましょう。 <サイズ> 幅、奥行き、高さ 168×170×180(mm) <容量・重量> 約4リットル・約550g <セット内容>
  • 水槽本体
  • 水槽フタ
  • 特殊フレーム(組み立て式)
  • エアーチューブ
  • 通気量調整バルブ
  • 逆流防止弁
  • 海水の素
  • ブラインカップ(孵化器)
  • ブラインカップ固定フック
  • スポイト
※エアポンプは付属していません。  水槽本体はもちろんのこと、海水の素逆流防止弁、またエアーチューブまでセットになっているという親切設定。水流を回すために必要なエアーポンプやクラゲ(生体)、餌などは別途購入する必要があります。それでもこれだけ入ってこの値段というのは嬉しいですね。それでは実際に組み立てていきます。


【強度がやや心配。水槽の構造について】

水槽本体はプラスチック製、そして水槽内部にセットする特殊フレームは柔らかい樹脂製になっていました。なるほどだからべっこべこ(笑)。このフレーム、下手に折り曲げを繰り返すと折れてしまいそうですね...ここも最初から固いプラスチック製だと物凄くうれしいのですが、恐らくこれも低価格を生み出すための要素の一つなんでしょう。文句は言わず黙って組み立てることにします。
くるくるクラゲ水槽②
水流を作り出すのはエアーポンプ(別売り)です。組み立てたフレームの右端に小さな穴が開いていましたが、これはエアーを出すためのものですね。ただ少し気になるのが...エアーの出る箇所から水面までの距離が近いため、「エアーをかなり強く出さないと、クラゲが回る程の水流が出来ない」ということでしょうか。
くるくるクラゲ水槽⑥ ↑エアーをかなり出しても水流は弱い。
そして忘れてはならないのが、付属の「ブラインカップ」なるものです。これはクラゲに餌として与えることの多い「ブラインシュリンプ」の卵を孵化させるための容器だそうです。このブラインシュリンプの卵は海水に24時間程いれておくと孵化します。まあ確かにわざわざブラインシュリンプのために別容器を用意するよりも、このブラインカップを水槽に浮かべておけば楽ですし、産まれたブラインをスポイトで吸ってすぐにクラゲに与えることが出来るし...というのもわかりますが...個人的には全く不要ですね(笑)
くるくるクラゲ水槽⑦ ↑カップ内の水は水槽の水位(水面)と同じくらいに。
そもそもこのブラインシュリンプ、孵化率を上げるためにはそれなりの温度が必要です。水温25℃を下回ってくると少し危ういですね。そこで考えてみて下さい。この「くるくるクラゲ水槽」の後ろ半分はヒーターを入れることが出来るスペースがあり、「セット内容以外に必要なもの」の中にも「ヒーター」と書かれています。水温が15℃以下になったら入れて下さいと。確かにヒーターを入れ飼育水温を上げれば、必然的にそこに浮かべてある「ブラインカップ」の水も温められ孵化率はあがると思いますよ?  しかし!このメーカーからも推奨されている「ミズクラゲ」の飼育に関しては言わせみれば、「ミズクラゲの飼育にヒーターは不要」です。これについては以前にも別記事で少し触れましたが、低水温での飼育には様々なメリットがあります。クラゲが感じる「時間」がゆっくりとなり、より長期間の飼育も可能に!?是非ヒーターは入れずに飼育してみて下さい。 ▼関連記事 【クラゲ豆知識①】夏以外はどこにいるの?秋や冬に見られるクラゲって?

●動画でより詳しくご紹介


【ARCADIA自慢のミズクラゲで検証!】

●個人的商品レビュー


【値段の割には良い!でも...】

確かにフレームはベコベコで少し安っぽいイメージでしたが...組み立てると案外様になります(笑)。エアーの量もきちんと調整すればクラゲはちゃんと回ってくれているようです。一般的に高価なものが多い「クラゲ水槽」ですが、これはかなり得した気分になりますね。が!!いくつかの問題点も浮上してきました。主なものを挙げるとしたら... 水槽自体がかなり小さいので、生体の大きさに注意すべき。 溜め水のため、水質悪化に注意。  この二つが大きいですね。まず一つ目ですが...なにせ水槽が小さい!かなり小さなサイズのクラゲしか入りません。いや、多少大きくても入るは入るのですが、エアーを強くしても水流が足りません(笑)。クラゲ達はうまく回れずに底に沈殿してしまうと、すぐに形が歪になってしまいます。ということで、ある程度小さな個体しか入れることは出来ませんね。傘径5cmを超えると...少し厳しいような気がします。ただ動画内でも述べたように、エアー噴出口の位置を水槽下部にずらすことで、気泡が水とより長時間触れるようになり、水流はもっと強くなります。噴出口を広げ気泡を大きくすればより効果的です。こうすれば、ある程度成長したクラゲを回すことも可能になるかと思います。  そしてもう一つの問題は、濾過槽が付いていないということです。このままではただの溜め水ですので、かなり頻繁な水替えが必要になります(特に高水温の場合だと)。しかしこれについては、やりようによって解決することが出来ますね。「ブラインカップ」をセットするいい感じのスペースを利用し、「外掛け式の濾過槽」を設置することが可能です。これだけでも大分換水の手間は減ると思いますよ。  なにがともあれこのくるくるクラゲ水槽は...いい意味で!「のりしろが多い水槽」といえますね。色々と改造してみたくなります。もちろんクラゲ飼育初心者の方にもおすすめですが、長期飼育を目指したいというのであれば、先ほど記述したように「濾過槽」を設置したり、成長したクラゲを移すために少し大きめの水槽を用意するなど、若干の手間は必要になります。
くるくるクラゲ水槽⑨

●カミハタのクラゲ商品ラインナップ


【くるくるクラゲ水槽】

超低価格のクラゲ水槽。濾過槽やエアーポンプなどは付属していませんが、水槽自体はなかなかの完成度です。ただし内部の特殊フレームが少し軟弱なため、扱い注意。比較的小型のミズクラゲ向きです(あまり大きいとうまく回りません)。クラゲ飼育初心者の方にはなかなかおすすめの一品。


【クラゲのエサ】

オキアミが主原料の人工飼料。使い方としてはまず、適量を小さな容器に入れ、海水を加え混ぜます。あとは付属の注射器で吸い、クラゲの口腕目掛け優しく吹き掛けるだけ。食い付きはなかなか良いです!ただし!クラゲも生き物ですので、他の生物の飼育と同様に、栄養が偏らないような食事を心がけて下さい。元気で形のよい個体に仕上げるためにも、これはかなり重要になってきます。理想として、常に3~4種類程度の餌はストックしておきたいですね。


【クラゲ水槽用海水の素】

一袋で5ℓの海水が作れます(×4袋入り)。これは別にクラゲだけではなく、他の海水魚にも使用できる一般的な「海水の素」になります。5ℓの水に本品一袋を投入するだけで丁度良い塩分濃度の海水を作ることが出来ますが、念のためやはり「比重計」は必須です。ちなみにこちらの海水の素には「中和剤(カルキ抜き)」が配合されているため、普通の水道水で溶かして使用することが出来ます。

●別途購入品(必需品)


【生体:ミズクラゲ】

これがないと話になりませんね(笑)。やはりおすすめなのは「ミズクラゲ」です。ただし生体サイズには十分気を付けて下さい。この水槽では強い水流を作るのが困難なため、大きなクラゲを入れてもうまく回らず底に沈殿し、結果溶けて死んでしまします。

↑こちらは規格上Sサイズ(傘径3~5cm)がおすすめ。


【エアーポンプ】

この「くるくるクラゲ水槽」の水流は、水中ポンプではなくエアレーションで作り出します。そのため、「エアーポンプ」が必須となります。ただしこの「エアーポンプ」にも様々な種類(本体の大きさ、エアーの吐出量、吐出口の数、低音低振動のもの等)がありますので、目的に合ったものを選んで下さい。  この「くるくるクラゲ水槽」の場合、小型でエアー吐出口が一口あればそれで十分です。ただ個人的には、ある程度の吐出量があり、可能ならば吐出口が二口以上のものがおすすめです。「大は小を兼ねる」と言うでしょう?万が一水槽が増えた時のことなどを考えると、やはりここは大きいものを購入しておいて損はないです。

◆吐出口が一口のもの

↑有名メーカー「ニッソー」のエアーポンプ。
↑こちらも有名メーカー「ニチドウ」の消音ポンプ

◆吐出口が二口以上のもの

↑「ジェックス」内部の音を逃がさない特殊密閉構造(二口)。
↑「ニチドウ」のパワフルポンプ(二口)。
↑「ゼンスイ」の10口タイプ!こんなにはいらないかも...


【クラゲの餌】

先ほどご紹介したカミハタの「クラゲのエサ」以外にも、クラゲに与えられる餌は多々あります。その中でもおすすめなのは「冷凍餌」や、「サンゴ用フード」です。そもそもサンゴもクラゲも同じ「刺胞動物」というくくりの仲間ですから、食べれないわけがないんですね。ただ注意点として、クラゲの大きさに見合ったサイズの餌を選んで下さい。小さなクラゲに大きな餌を与えても胃に入れることができません。そしてもう一つの注意点は、「餌を一気に多量与えないこと」です。一気に多量与えるとクラゲは餌を食べず、自ら出す粘液で固めて水底に落としてしまうのです。

◆ブラインシュリンプ・エッグ

クラゲの餌として有名な「ブラインシュリンプ」の卵です。ソルトレイク産。海水に入れると24時間程度で孵化します。ただ、孵化後はなるべく早くに与えて下さい。ブラインシュリンプは孵化後すぐこそは栄養価が高くなっていますが、時間と共にその栄養を自らのために使ってしまいます。

◆冷凍ブラインシュリンプ

「わざわざ孵化させるなんて面倒!」という方にうってつけなのはこれ!その名の通り、幼生ブラインシュリンプをブロック状に冷凍したものです。必要な時に必要な数だけ出して解凍すれば、すぐクラゲに与えられるというなんとも便利な代物。孵化したブラインと卵の殻を分離させるという面倒な作業も省け一石二鳥ですね。そしてさらに嬉しいのが、DHAやEPAなどの、本来ブラインシュリンプにはあまり含まれていない栄養素を彼らの体内に取り込ませた上で急速冷凍させたということです。まさに、「バイオカプセルフード」!!ですがやはり、これ単体を使用してのクラゲ飼育はおすすめできません。

◆冷凍コペポーダ

海産プランクトンの一種で、その大きさはブラインシュリンプ幼生とほぼ同サイズ。なので、小さなクラゲにも安心して与えることが出来ます。そしてこのコペポーダの一番の売りはその栄養価!ブラインシュリンプには含まれていない必須脂肪酸のDHEやEPAをコペポーダ体内に取り込ませることによって、このバイオカプセルフードは完成しました。

◆冷凍ワムシ

こちらも必須脂肪酸であるDHAやEPAを体内に取り込ませたバイオカプセルフードです。そしてこのワムシの一番の特徴は、そのサイズです。ブラインシュリンプ幼生やコペポーダに比べるとかなり小さいので、小型のクラゲもよく食べることが出来ます。もちろん栄養価も高いので、成長したクラゲにもおすすめです。

◆ズー・ブラスト

海洋性プランクトンを主原料とする栄養価の高いサンゴ用フードです。冷蔵保存で、使用する時もボトルから直接水槽に投入できるため色々と便利!こちらも以前使用したことがあるのですが、中身を見た感じ...恐らく一番の主原料は「レッドプランクトン」と呼ばれるプランクトンですね。このプランクトンは比較的大型のため、ある程度成長したクラゲの方がよく食べていた印象が強いです。

◆ミクロタッチ

こちらも元々はサンゴやイソギンチャク、ヤギなどに使用するための粉末飼料です。かなり細かいので与えすぎには要注意。原材料には甲殻類や貝類、イカ類、プランクトン類、海藻類などが使用されているため、栄養バランス的にはバッチリです。

●別途購入品(おすすめ品)


【外掛け式フィルター】

先ほども記述した通り、この「くるくるクラゲ水槽」には濾過機能がありません。そう、つまりずっと貯め水なので、すぐに水が汚れてしまう訳です。水質はクラゲにとって最も重要なもの。水質管理がきっちりできていないと急速に溶け始め死んでしまいます。そこでおすすめなのがこの「外掛け式フィルター」です。  こちらは大抵の水槽に後付けで設置することが出来る便利なフィルターです。定期的に中の濾材(活性炭)を交換すればよいだけなので、メンテナンスも楽です。また、内側の空いたスペースに別の濾材を投入すれば、その濾過能力はぐんとアップします!(おすすめ)。ただ、やはり定期的な換水が水質維持には一番効果的ですので、濾過槽が付いたからといっても怠らないようにしましょう。

◆GEXスリムフィルターSSサイズ

◆GEXスリムフィルターSサイズ

◆交換用ろ過材(S/M/L用)


【冷却用ファン】

先にも記述した通り、ミズクラゲの飼育は高水温よりも低水温の方がおすすめです。本当は水槽用クーラーを取り付けたいのですが、ポンプ機能が付いてないため設置するのは難しい...そんな時に便利なのがこの水槽用冷却ファンになります。こちらの商品、水面に風を当てることによって水温を下げる(3℃前後)といういたってシンプルなもの。「低水温にする」というよりは「水温が上がりすぎないようにする」という商品になりますね。しかし、夏場などの水温が上昇しやすい時期には意外と役に立ちます。

 さていかがでしたでしょうか?カミハタの激安クラゲ水槽「くるくるクラゲ水槽」。値段の割にはクオリティーも割と高く、クラゲ飼育が初めての方にはうれしい商品になるのではないでしょうか。ただやっぱり水槽の小ささと濾過槽が付いてないということに関しては少々頭を悩ませます。  「クラゲをもっと大きく成長させたい!」、「クラゲともっと長く付き合いたい!」という方には、もうワンランク上の商品がおすすめですね。それではまた!カシオでした。
▼関連記事 【通販購入できるクラゲの種類】ネット販売価格や飼育水槽セット紹介など。
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