間もなく「ファインディング・ニモ」の続編、「ファイディング・ドリー」が公開されるということで、せっかくならば映画のスクリーンだけでなく自宅の水槽でもニモを楽しみませんか?
<目次>
●カクレクマノミの生態
●カクレクマノミの餌
●カクレクマノミの病気
●混泳可能な魚について
●カクレクマノミの性転換について
●おすすめのカクレクマノミ飼育セット
●カクレクマノミ水槽立ち上げ方法解説
●カクレクマノミを水槽に入れよう
●カクレクマノミの生態
【何故イソギンチャクに近づいても平気なの?カクレクマノミの生態について】
カクレクマノミといえば「イソギンチャク」。触手の間からのぞかせる顔がなんとも可愛らしいですね。敵から身を守るために「イソギンチャクとの共生」を選んだカクレクマノミ、しかしなぜ彼らはイソギンチャクの刺胞に刺されないのでしょうか?その秘密は、彼らの体表から分泌される粘液に隠されているそうです。
●カクレクマノミの餌
【大切なのは餌をあげすぎない事と、栄養バランスを考える事】
一日2~3回、残餌が残らない程度に少量づつ分けて与えます。自然界では主に動物プランクトンを食べていますが、人工飼料もあまり好き嫌いせず何でも食べてくれます。ここで大切なことは、「水槽の大きさに合わせた給餌量を意識する」ことと、「栄養バランスを考える」ことです。ちなみにブリード個体(養殖)ではなくワイルド個体(天然)を購入した場合、人工の餌に餌付くまでかなり時間がかかってしまう場合があります。そんな時の給餌は要注意で、残餌を食べてくれるヤドカリ類を入れたり、毎回残餌を取り除くなど気を配らなければ、残餌が原因で急激な水質悪化を引き起こし、最悪生体が死亡してしまう可能性があります。
◆水槽の大きさに合わせた給餌量
これは別に、「小さな水槽で飼育する場合は餌をあまり与えない方が良い」と言っている訳ではありません。ただ、小さな水槽程有害物質が蓄積しやすいという事を示しています。水質悪化は生体に深刻なダメージを与えるため、定期的な水質チェックや換水を怠らないよう気を付けてください(特にイソギンチャクなどの無脊椎動物は水質にかなり敏感です)。◆栄養バランスを考え、常に3~4種類の餌をストック
栄養バランスを考えた食事は、人間だけでなく魚にもかなり重要なことです。特に繁殖を考えられている方、卵の状態を大きく左右するのは「親の栄養管理」だということを覚えておいて下さい。そのためにも、常に3~4種類の餌は用意しておいた方が良いかと思います。以下おすすめの冷凍・人口飼料
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↑こちらも先ほどの商品と同じく、プランクトンを冷凍したものです。ブラインシュリンプよりはやや小振りです。
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●カクレクマノミの病気
【発生しやすい病気No.1はトリコディナ。その治療法と予防法について】
白点病や尾ぐされ病など魚類に発症する病気は様々ですが、今回ご紹介するのは「カクレクマノに出やすい病気NO,1」と言っても過言ではない、「トリコディナ」についてです。
症状としては、体が半透明の白い膜に覆われ、水底でじっとしていることが多くなることなどが挙げられます。極めて致死性が高く進行も早い病気のため、早期発見・早期治療を心がけましょう。
予防法としては、とにかく飼育水を清潔に保つことです。特に生体の移動後やショップからの輸送後など、ストレスを感じて弱っている時に発症してしまう可能性が大です。
また治療法として一番有効なのは淡水浴だと言われています。ただしこれは生体にもかなり負担がかかるため、出来るだけ早期に行う必要があります。グリーンFゴールドなどの投薬と交互に行うことが効果的ですが、この薬は無脊椎動物に深刻なダメージを与えてしまうため、イソギンチャクと共生させている場合には必ず別容器にて薬浴を行ってください。
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●カクレクマノミと混泳可能な生物について
【温厚な性格は誰からも好かれる!?】
カクレクマノミは攻撃性の高い魚ではないため、大型魚を除く多くの種との混泳が可能です。もちろんイソギンチャクとの同居も可能なのですが、イソギンチャクの飼育は割とシビアでカクレクマノミよりも難易度が高いため、海水魚の飼育に慣れていない方はまずカクレクマノミだけの飼育をおすすめします。
失敗談としてよく耳にする症例は、「イソギンチャクが死亡したために水質が一気に悪化し、一緒に入れていたカクレクマノミが全滅してしまった」というものです(私も経験済みです...)。
●カクレクマノミの性転換について
【生まれた時は全てオス!?性転換をするメリットとは】
「性転換」を行う魚はさほど珍しくもありませんが、その多くがメスからオスへ変わるのに対し、カクレクマノミはオスからメスへと性転換をします。
↑「ナポレオンフィッシュ」として有名なメガネモチノウオも、メスからオスへと性転換をします。
カクレクマノミは普段群れで生活しており、その中で一番体の大きな個体のみがメスへと性転換をします。次いで多きな個体(オス)がそのメスとペアを組むのですが、万が一メスが死亡してしまった場合にはペアを組んでいたオスがメスへと性転換をし、群れの中で次に体の大きな個体がそのメスとペアを組みます。ペアを組んだ二匹以外は全て「予備軍」というわけです。ちなみに、一度メスへと性転換をしたオスは、二度とオスに戻ることはありません。
映画「ファインディング・ニモ」に登場するニモの父親「マーリン」も、いつの日かメスになってしまうのでしょうか…?
●おすすめのカクレクマノミ飼育水槽セット
【生体以外の必需品は全てセット!超おすすめ水槽セットの内容とは?】
安く出回っている「水槽セット」を探せばいくらでもあります。しかし大抵それには照明やヒーター、濾過槽が付いているだけで、一般的な淡水の熱帯魚を飼育するのには十分ですが、海水魚飼育には適していません。かといって追加で色々購入すると、せっかく安いセットを買ったのに全く意味が無かったほどの高額になってしまいます。
でしたら、初めから全てセットになっているものを購入しましょう!そこで今回私カシオがおすすめする水槽セットがこちら↓
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さてそれでは早速中を見てみましょう。
【充実した水槽セット内容紹介】
◆水槽・ガラスフタ・フタ受け
W27×D27×H27のガラス製キューブ型水槽。同じくガラス製のフタとフタ受け付き。◆バックスクリーン・水槽専用マット
コトブキ製リバーシブルスクリーン600(ブラック&ブルー)と、ガラス底面に傷などが付かないようにする水槽専用マット。◆底砂(サンゴ砂)
未洗浄サンゴ砂(スモール)。3Lも入っているので使いきれません...。◆ヒーター
テトラ製26℃セットヒーター50W。水温を自動的に26℃に合わせてくれる便利なヒーター。コードの長さが約82cmあるので延長コードが無くても大丈夫かと思いますが...心配な方は一応ご用意を。◆照明
テトラ製LEDスマートライト。アームの長さは約13cm、コードは約180cm。コンパクトながらもかなり明るい代物です。しかも、色が「白色&ブルー」か「ブルー単色」かの二種類を好みで切り替えることができます。夜に、この「ブルー単色」に切り替えると、なんとも素敵な雰囲気になりますよ。◆人工海水(レッドシーソルト)
60リットル用2㎏。人工海水の素が付いているだけで嬉しいのに、まさかこんな高級品が付属されているとは思ってもいませんでした(笑)。こちらの「レッドシーソルト」は名前の通り、かの有名な「紅海」の海水を使用して作られた人工海水の素です。「水に溶けやすい」、「多種多様な微量元素を含有している」、「少量で多くの海水を生産できる」と、アクア初心者からプロの方まで、幅広いニーズに応えることのできる商品となっています。◆インスタントオーシャン シーテスト比重計
海水作りには欠かすことのできない、海水の濃度を測定する「比重計」。これも単体で購入しようとすれば結構なお値段になります。使い方も非常に簡単で、出来上がった海水をこの容器に入れメモリの針が動かなくなるまでただ待つだけです。くれぐれも針に気泡が付いたまま測らないようにして下さい。空気で針が持ち上がり、正確な数値が出せなくなってしまいます。◆エサ
小魚&オキアミがそのまま入った乾燥フード。嬉しいのは嬉しいのですが...できれば一般的な人口飼料のほうがありがたかったです。やや大きいので、口の小さな魚や幼魚などにはあまり向かないかもしれません。ある程度成長したクマノミであれば問題なく食べることはできます。◆調整剤・バクテリア
淡水・海水両用「スタートアップ」。本来であれば、濾過槽にバクテリア(水を綺麗にする好気性細菌)が活着するまで約1~2カ月程水槽を放置しておかなければいけないのですが、こちらの商品を投入することでその期間をうんと短くすることができます。また、初めからバクテリアの付いた濾材や底砂(別売り)を使用すれば、1週間程でも生物を入れられるようになりますよ。◆濾過フィルター
エーハイム「アクアコンパクト2004」。φ12.8×H19.1mm。小型ながらも十分な濾過能力を発揮します。もちろん濾材入りです。●カクレクマノミ水槽立ち上げ方法解説
【なにより大切なのは水づくり!安全な水槽で生物を迎え入れましょう】
さてそれでは、実際に購入した「カクレクマノミスターターセット」を立ち上げてみます。まずはきちんとパーツに不備がないかを確認して...ではいきましょう。
①水槽の底面に付属のマットを貼り付ける。
こちらのマットは正直敷いても敷かなくてもさほど問題はありません。水槽や水槽台に傷が付くのがどうしても嫌な方にはオススメします。ただし、長年使用しているとマットが劣化し、ガラスなどに張り付いてしまう場合がありますのでご用心を。②水槽を置く場所はこの時までに確定させる。
マットを貼り付けたら、水槽を置く場所を決めましょう。この程度のサイズの水槽であれば後からでも移動は可能ですが、60cm水槽や90cm水槽などは、一度水を張ってしまえば移動が中々困難になります。水を抜いて運ぼうとすれば、恐らくレイアウトは崩れてしまうでしょう。くれぐれも場所選びは慎重に。③サンゴ砂を洗い、水槽に投入する。
このセットに付属されているサンゴ砂は未洗浄なため、ザルに移し水道水で軽くすすぎます。後のレイアウトを考えると多少深さがあったほうが良いですが、さすがに3L全部は使えません...。今後の事を考えきちんと保存しておきましょう。またこちらのサンゴ砂は「スモール」となっていますが、大きすぎる粒よりは断然こちらの方が良いです。粒が大きいと隙間ができ、その間に残餌が溜まれば水質悪化の原因にもなってしまいます。 ちなみに、バクテリアの活着したサンゴ砂も売られているのですが、そちらを使えば水槽の立ち上がりがぐんと早くなります。こちらは洗わずそのまま水槽へ投入して下さい。③濾過槽「エーハイム」をセットする。
ここでようやく、濾過槽であるエーハイムを開けていきます。まずは水槽の一番底面にスポンジを敷きます。エーハイムが吸い込んだ水はまずここを通って上へあがっていくので、まずはこのスポンジ部分で目に見える大まかな汚れをキャッチします。
その次に、水道水で軽く濯いだ濾材を付属のネットに入れていきます。この濾材には微細な凹凸が無数にあり、そこに活着した好気性バクテリアが水をろ過してくれるのです。濾過槽の命とも言える部分になりますね。
そして最後にウールマットを敷き詰めます。このマットは先のスポンジよりもかなり目が細かく、より微細なごみを絡めとってくれます。
それから蓋をします。蓋裏の穴と濾過槽の溝があうようにゆっくりと閉めていって下さい。
今度は水を吸い上げるポンプの組み立てになります。たくさんのパーツ...こればかりは個人の自由なのですが、私はいつもこのように使っています。もちろんシャワーパイプを使っても大丈夫です。
付属のホースを水槽との高さを考えながら切り、それをポンプ側と濾過槽側に取り付けます。少々刺しにくいですが、ホースを少し濡らすと刺しやすくなります。そのあとホースが外れないよう、バンドをきっちりと閉めます。
これでエーハイムの設置は完了です。ここまでくればあと少し、いよいよ水をいれていきましょう。
④サンゴ砂を投入する。
続いてはサンゴ砂を必要な分だけ取り出し、水道水で洗ってから水槽に投入します。先に述べたように、こちらのサンゴ砂は未洗浄でありバクテリアは活着していません。より水槽の立ち上げを早めたい方には、「バクテリア付きのサンゴ砂」をおすすめします。⑤人工海水の素を水道水で溶かし、飼育水を作る。
続いては人工海水の素を水道水で溶かし、飼育水を作ります。ある程度溶かし混ぜたら白濁が収まるまで待ち、付属の比重計にその水を入れます。目盛りの1.023前後(1.022~1.024)になれば大丈夫です。 またこの時注意して頂きたいのは、このセットに付属されている「レッドシーソルト」には塩素中和剤が入っているため水道水で直接溶かせばいいのですが、人工海水の素の中には、「塩素中和剤が入っていないもの」もあります。そういった素で飼育水を作る場合には、カルキ抜きを使用した水道水または、一日汲み置きして塩素が抜けた水道水を使用してください。⑥作った海水を水槽へ入れ、ヒーターと照明を設置。
いよいよ水張りです。コンセントに刺さなければ熱くなりはじめないため、先に水槽内にヒーターを取り付けます。さて、ここから水を張っていくのですが、この時あらかじめ水槽のレイアウトを組んでしまっても構いません。ただその時は、なるべくレイアウトが崩れないようにゆっくりと注水していって下さい。 そしてライトを取り付けると...こんな感じになります。⑦レイアウトを作り上げる。
生体を入れる前に、レイアウトを作り上げましょう。今回は別途で購入した白化サンゴを使いました。ライブロックももちろんいいのですが、今はまだ飼育水が出来上がっていないため(バクテリアが働いていない)やめておきましょう。⑧調整剤・バクテリアを投入する。
ここまで来たらあと一歩です。ここで、付属の調整剤・バクテリアの「スタートアップ」を投入していきます。これを入れるだけで立ち上げ時間がぐんと早まります。1~2週間程回せば生き物が入れられる環境にるでしょう。ガラスのアンプルは、両サイドをパキッと指で折れば中身が出てきます。
●カクレクマノミを水槽に入れよう!
【到着したらすぐ、袋から生物を出さずに生死を確認すること】
生物が到着してまず初めにして頂きたいことは、「着死」の確認です。購入したサイトに「着死(死着)保障あり」と記述してあれば、輸送中に万が一生物が死亡してしまっていてもお金が返ってきます。ただそのとき重要なことは、「袋から出さずに生死を確認すること」です。一度袋から出してしまえば返金してもらうことは出来ませんのでご注意下さい。
【焦らず急がず、ゆっくりと環境になれさせてあげましょう】
生物の生死を確認したら、いよいよ水合わせをして水槽に入れていきましょう。しかし、ここにも大きな落とし穴がありますのでご注意下さい。海水魚を水槽に投入する際に関係してくることが、大きく分けて二つあります。それは...
①海水の比重(塩分濃度)。
移動先の水槽の水と同じ塩分濃度にゆっくり慣れさせることが大切。
②水温。
水温1℃の変化は、魚にとって3~4℃変わることと同じです。
この二つです。もっと細かく言えば沢山あるのですが...海水生物の水合わせの際には、特にこの二つを重視して下さい。それでは手順をご説明します。
①袋を破り、中の水ごとバケツなどの容器に移す。
この時あまり水をバシャバシャしないように気を付けてください。私はいつも袋ごとバケツに入れたら、その側面をカッターで切り生物を水ごと出しています。②エアーチューブの先を結び、移動先の水槽から水を少量ずつ滴下させる。
この方法が水合わせに最適ではないかと思っています。大体1時間程時間をかけて、もとの水量の2倍になるぐらいまで水をゆっくり滴下させて下さい。こうやって、移動先の水槽の水に少しずつ慣れさせていきます。 ちなみに、クラゲやエビ、カニ、イソギンチャクなどの無脊椎動物は海水魚以上に水質に敏感なため、水合わせにはこの倍くらいの時間をかけもっとゆっくり水合わせをしていきます。③もしもエアーチューブがない場合には、定期的に水を足してゆき水合わせを行う。
こちらは先程のエアーチューブよりも大分大ざっぱなやり方ですが、一応は可能です。④小さめの容器に入れ、移動先の水槽に20分程浮かべる。
1時間程水合わせを行った後、今度は水温を合わせていきます。人間にとって1℃の水温変化は、魚にとって3~4℃の変化だということを忘れないで下さい。
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